初音ミク

海外の話を紹介しているばかりではつまらないので、Metaplace には直接関係しないけど、仮想世界とか UCC というキーワードで繋がる日本国内の周辺的な話題もたまには取り上げていこうかと思います。

多少説明過剰気味ですが、これはリアルタイムに読む人よりも、1年なり2年なり経過してから読み返す人の方が多いだろうという配慮です。

今回は、「初音ミク」について

初音ミク

初音ミクの登場

初音ミクは、2007年8月31日に、クリプトン・フューチャー・メディアから発売された、音声合成デスクトップミュージックソフトウェアです。簡単に言えば、「合成音声で任意の歌を歌わせるソフト」です。

同様の機能を持ったソフトウェアは過去にもあったようですが、それらに比べより自然な歌声を実現したこと、実在の声優の声をサンプリングデータとして使用していること、ならびに「バーチャルアイドル歌手」として明確なキャラクター像を設定したことが特徴です。

miku.jpg

公式ページによれば、彼女のプロフィールは「年齢16才、身長156cm、体重42kg、得意ジャンルはアイドルポップス/ダンス系ポップス」だそうです。

初音ミクの台頭

初音ミク発売後、日本で最もメジャーな動画投稿サイトニコニコ動画に、既存の曲を彼女カバーした動画が多数投稿されました。これにより、自らも初音ミクを購入して、動画を投稿する人が続出。連鎖反応的に爆発的ヒットとなり、1万5千円以上という価格にも関わらず1万5千本以上を売り上げています。

既存曲の広範囲なカバーから始まった彼女の歌は、やがて替え歌やメドレーなどに広がり、ついにはユーザ作詞作曲によるオリジナル曲を生み出します。

「みくみくにしてあげる♪」というタイトルのこの曲は、10月28日現在ニコニコ動画だけで再生回数130万回を越えています。日本の歌謡界で現在大きなヒット曲がないことを考えると、もしかしたら今現在日本でもっとも多く再生された曲かもしれません。

初音ミクへの伏線

突発的なヒットに見える初音ミクですが、ここに至るまでにいくつかの伏線となる流れがあったように思えます。

ひとつはYouTubeをはじめとする動画投稿系サイトの登場。中でも、TVアニメ涼宮ハルヒの憂鬱のエンディングのダンス(通称:ハルヒダンス)がヒットし、日本のみならず世界各国からこのダンスを踊っている動画が多数投稿されたのは印象的でした。

映像メディアにおいてユーザがそれを受信するだけでなく、大規模な形で映像を作成し投げ返したという点で、今までになかった事例だと思います。

もうひとつバーチャルアイドルという観点から、無視できないのがアイドルマスター(通称:アイマス)というゲームのヒットです。「バーチャルアイドル」という言葉は結構古くからありますが、一定以上の成功を収めた初めての例が、多分このゲームのキャラクター達だったのではないかと思います。

モーションキャプチャを利用したリアルなダンスと、極めてアニメ的なレンダリングの組み合わせというのも、いろいろと興味深い点です。

その先にあるもの

デビュー約2ヶ月にして、数千曲をリリースしたバーチャルアイドル初音ミクですが、面白いことに既存のマスメディアの反応は極めて冷淡なようです。

現実問題として、国民全体からすれば初音ミクの知名度はまだまだ低く、「一部のオタクが騒いでいるだけ」というのは決して間違った見方ではないでしょう。ただ、そもそもアイドルという存在自体がある種のオタク層の支持によって成立しているビジネスであることも事実です。

また、メディアのデジタル化とネットワークの普及に神経を尖らせた著作権団体がユーザの反発を招く言動繰り返し、コンテンツビジネス全体を不調とさせるネガティブなスパイラルは今後もしばらく続きそうに思えます。

そして何より、与えられたものを消費するだけでなく、それを共有し、改変し、コラボレートし、また共有するというスパイラルはすでに現実のものになってしまいました。

バーチャルアイドルがリアルなアイドルを完全に駆逐することは当分ないと思いますが、禁断の果実を多くの人々が口にしてしまった以上バーチャルアイドルが駆逐されることももはや不可能だと思います。

それを望む者がいる限り、技術は進歩し、様々なアイデアが試行され、評価され、共有され続けることでしょう。庭を囲む壁 -- 少なくてもその一部は、崩れ去ってしまったように見えます。

初音ミクの発売元は、キャラクター・ボーカル・シリーズ第2弾として12月にまた別のアイドルをデビューさせる予定だそうです。

by Myfuna at 2007年10月28日 21:09 Comment(1) TrackBack(1)
この記事へのコメント
2014年8月12日の今日 あなたのタイムカプセルを開けました。貴重な記憶をありがとうございます。最近ファンになった小生も今や当たり前のミクやボカロたち存在が辿った苦難やそれを培った背景が理解できました。
Posted by 福田博史 at 2014年08月12日 17:25
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Tracked: 2007-11-29 03:08